愛知県小児科医会会報 No68 (1998.11) 会員の広場

インターネットのお勧め

                           若葉台クリニック  鈴木信子

  ここ数年、インターネットの話題が新聞紙上を賑わすことが多くなってきました。大学病院では、各医局や研究室のパソコン(パーソナルコンピュータ)が院内LAN(Loca1AreaNetwork)経由でインターネットに接続されているのが常識です。近隣の国立名古屋病院、名古屋第一および第二日赤病院などの基幹病院では、医事会計システムとは別のインターネット用LANが病院内に構築されつつあります。開業医で興味を持っている方はすでにプロバイダーと契約してインターネットを駆使されている方も多いと思いますが、まだ迷っている方も多いと思われます。すでにこの会報(No63、平成8年5月)に書かせて頂きましたが、原稿依頼があったため、重複する部分もありますが書かせて頂きます。

 今まで英文タイフやワープロのキーボードを触ったことのある方は、パソコンのキーボードの配列はほぼ同じですので恐れることはありません。初めてパソコンを購入された方は、最初にパソコンのセッティングでつまずくことが多いため、ディスプレイとパソコンー体型を購入することをお勧めします。予算的に余裕があれば、液晶表示の一体型がコンパクトで診察机の上に置いてもそれ程邪魔にはなりません。ノート型パソコンであれば、A4サイズでCD-ROM、FDが同時内蔵されている製品の方が間違いありません。Windows機にするかMacintosh機にするかは大いに議論のある所ですが、現時点ではどちらを選んでも使い勝手はそれほど変らなく、ソフトも両者共通のものが多くなりつつあります。敢えて言えば、Windows機はメーカーも多く種類も豊富で選択の幅があり安いです。一方Macintosh機は初心者にもプロにも好まれますが、機種は少なくやや高いと言えます。( 今話題のi-Mac を診察机の上に置いてアニメのスクリーンセイバー画面を子供たちに見せると大喜びすると思いますが、まだ実現していません)
 
 一番大切なことは御家族・友人でいろいろ教えてくれる方がそばにいるかどうかです。説明書は読むと益々判らなくなりますので、しばらくは横にインストラクター(家族・友人)をはべらせて、試行錯誤すれば何とかワープロレベルはマスターできます。住所録などは専用ソフトを購入したほうが簡単で、汎用のデータベースソフトで自分に合った仕様を作るのはある程度のレベルになってからにした方が良いでしょう。

 インターネット接続は、現在は簡単接続ソフトが同封されて、それほど難しくはありません。ほとんどのパソコンメーカーはモデムを最初から内蔵で販売していますので電話回線に二叉プラグで接続すれば使用できます。ただし、ビジネスホンを利用している診療所では、二叉プラグはできません。速度の点から考えると、現在使用中のFAX回線をISDN化しFAXとインターネットを同時使用できるようにすることをお勧めしますが、このセッテインクは慣れた方にしてもらって下さい。最初の内は大手のプロバイダーのどこかに加入し、慣れてきてから中小のプロバイダーでお値打ちな所に替わるのも一法です。なお、愛知県医師会は独自ネットを構築し、医師全会員は無料接続できますので、名古屋市内とその周辺の方にはお値打ちです。また、NTTはパソコンのセッティングとISDN工事、インターネット接続をすべてお任せする業務を始めています。プロバイダーはOCNのみでパソコンも2種類しか選べませんが、全くの初心者には歓迎されています。

 インターネットの接続をしてからどこのホームページ(HP)を見るかです机検索ぺ一ジでは「YahooJapan」が一番まとまっていて利用しやすく、気に入ったHPはブックマークに登録すると便利です。医学関連では、東大医学部が管理しているUMIN(ユーミン)で各医科大学や各学会のHPに飛べます。また、日本医師会日本薬剤師会日本看護協会なども情報は豊富です。小児科関係では、名大小児科のHPは梶出先生の力作で豊富な情報が盛り込まれています。東北大学小児科には全国の小児科医用のメーリシグリスト(ML)があって、活発な議論がインターネット上で行われています。講義や医局勉強会の内容をHP上に載せている教室もあって年後教育の勉強にはなり過ぎるぐらいです。また、各地の小児科先生のHPも徐々に増えつつあって、色々面白く拝見できます。インターネットで便利なのは、無料のMedline検索ができるHPが海外に多くあり、瞬時に文献検索ができることです。愛知県医師会ではサンメディアと契約し、愛知県医師全会員には無料でMedlineと医学中央雑誌の検索が自由にできるサービスを取り入れています。これは他の府県医師会のHPには見られない特徴です。事前に愛知県医師会に利用串し込みをすれば、IDとPasswordが貰えますので、自宅からでも大学図書舘に入った場合と同じ環境になります。これらの検索には慣れも必要ですが、詳しい解説がHP上に載せられています。

 電子メールも便利で、私は大学関係の先生との連絡などにはもっぱら利用しています。電話は時間帯によって相手の先生にご迷惑をおかけすることも多く、またなかなか連絡が取りにくいことも多いですが、電子メールであればこれらの問題を解決できます。また、大手製薬メーカーのMRの名刺にも電子メールアドレスが書いてある時代になりましたので、いずれ電話を使用するには緊急時のみになると思われます。主人は「クラブのママさんや芸者さんも電子メールを使い出したぞ」と冗談を申しています。これはお客である会社の社長や部長さん達はほとんど電子メールを使用していて、会社に電話すると嫌がられ、FAXでは内緒話(!?)も書けないため、花模様の電子メールでお誘いをするのが一番ナウイのだそうです。大変な時代になったものです。

 最後に話が落ちてしまいましたが、大きく時代は変化しつつありますので、御家族・友人に助けられながらインターネットを楽しむ生活を始めることをお勧めしたいと思います。主人と子供が小児科・産婦人科関連や子育て支援のHPのリンク集も加えて作りました当院のHPのURLをお載せしますので、ご笑覧ください。

    URl  https://www.wakabadai-clinic.or.jp/
   電子メール nobuko@wakabadai-clinic.or.jp