A) 幼児・学童・中高生・成人・老人(非妊娠)のインフルエンザワクチン接種について
1) 季節型インフルエンザワクチン
今年は生産量が少なく、国家検定の遅れもあって11月は断続的な入荷で、大変ご迷惑をおかけしました (日経11/2夕刊) が、12月は順調に入荷して接種可能でした しかし、1月13日に季節型ワクチンは最後の1本を使い切りましたので、今シーズンの接種は終了しました
日本小児科医会会報(第38号H21年10月31日発行)で山口県の鈴木英太郎先生らは、前年度ワクチン歴があれば全年齢で1回接種でよく、ワクチン歴がなければ1〜6歳は2回接種が必要であるが、特に6歳以上は1回接種で充分抗体が上昇していると報告していますので、それ程2回目の接種にこだわらなくてもよいのかもしれません
日本は接種量は少なめで間隔も1〜4週と厚労省は規定(30年以上改訂せず)していますが、免疫的効果からWHO(欧米)は子どもへの接種量は日本の接種量よりも多く、間隔も4週以上で接種すると変更しています このため、厚労省は見直しを考慮中です (共同通信12/28) 当院では以前からこれらのデータをご家族にお話して、ご理解が頂ければ、季節型はWHOの基準に沿って接種しています(新型は副作用が未知数のため、今年は基準通りの接種量)0歳児への接種については、米国CDCでは6ヶ月児以降で0.25mlの接種(1月以上の間隔で2回)が勧奨されていますが、日本では、0.1ml接種のためもあって、免疫をつけることが難しいため、1歳未満児へのインフルエンザワクチン接種は推奨されていません。 当院では、0歳児への接種は原則としません
今回インフルエンザワクチンの季節型と新型の同時接種を厚労省は認めています (諸外国では複数の同時接種は通常的に許可)
2) 新型(A/H1N1pdm)インフルエンザワクチン
現在の所、在庫(国産品)は充分に有りますので、接種可能です
接種のためには、2日前の午前0時より予約システムで予約をして、当日は母子健康手帳をご持参下さい
当院では臨時で 12/9(日)、12/13(水・午後)、12/27(日) にもワクチン接種しました
カテゴリー分類 事前の問い合わせ 接種可能な期日 (愛知県の関連サイト) 妊婦 最優先 11月17日より接種中 喘息などの基礎疾患のある子供(1歳〜小3) 最優先 11月17日より接種中 喘息などの基礎疾患のある子供(小4〜)
基礎疾患のない1歳〜小3までの子供11/18より予約 12月7日より接種中 基礎疾患の無い学童(小4〜小6)
0歳児の保護者
アレルギーなどの身体的理由で接種不可の児の保護者
12/21より 12月24日より接種中 中学生 1月5日より 1月8日より接種中 高校生 1月5日より 1月8日より接種中 65歳以上 1月12日より 1月15日より接種中 健康な成人 (浪人生・大学生を含む) 1月26日より 1月26日より接種中 (中日1/25)
(補足説明)
仮予約はあくまでワクチン本数と人数を調査し愛知県に必要本数の請求をするのが目的で、実際の接種には本予約(2日前からの予約システムでの予約)が必要です
新型インフルエンザワクチンをなるべく多数の方にも接種するために、平日以外に特別枠として12/9(水)の午後、12/13(日)の午前、12/27(日)にもワクチン接種を致しました 供給量は大幅にカットされるとの噂でしたが、予想よりもスムーズに当院に入荷してきました(中日12/10) さらに、仮予約された方で待機中にインフルエンザAに罹患された方からキャンセルの連絡も入ってきて(産経12/27)、余裕ができつつあります 仮予約なしの方も接種可能ですので窓口までお問い合わせ下さい なお、カテゴリー分類を飛び越して期日前の接種は厚労省・県の指導でできませんので、ご容赦下さい
他の病院でかかっていて、そこでの接種はしないと言われた方は優先接種対象者証明書を必ず発行して貰って、ご持参して下さい
当院にて治療中(喘息用吸入剤やオノンなどの投与(過去投与で現在寛解中も含む)、ホクナリンテープなどの投与だけではダメ)の方で、院長から接種を勧められた方は当院で優先的に接種させて頂きます
日本は接種量は少なめで間隔も1〜4週と厚労省は規定(30年以上改訂せず)していますが、免疫的効果からWHO(欧米)は子どもへの接種量は日本の接種量よりも多く、間隔も4週以上と変更しています このため、厚労省は見直しを考慮中です (共同通信12/28) 当院では以前からこれらのデータをご家族にお話して、ご理解が頂ければ、季節型はWHOの基準に沿って接種しています(新型は副作用が未知数のため、今年は基準通りの接種量)
0歳児への接種については、米国CDCでは6ヶ月児以降で0.25mlの接種(1月以上の間隔で2回)が勧奨されていますが、日本では、0.1ml接種のためもあって、免疫をつけることが難しいため、1歳未満児へのインフルエンザワクチン接種は推奨されていません 今回、新型インフルエンザワクチンの0歳児への接種接種を厚労省は玉虫色的表現で許可していますが、0.1mlでは有効性は低いので、当院では接種いたしません(厚労省 よくある質問 Q5)
本年8〜11月にインフルエンザAとして診断・治療を受けた方は、ほとんどが新型インフルエンザ(A/H1N1pdm)と判明(詳細はここ)していますので、今回の新型インフルエンザの接種はまず不要とされます ただし、罹患して直ぐにタミフル・リレンザを使用した場合の抗体上昇は低いとの報告もあるため、接種を希望される場合は厚労省は接種をしても可との見解を出していますので、希望される方は申し込み下さい
12月に入ってからインフルエンザAと診断された症例で、新型インフルエンザ(A/H1N1pdm)だけではなくて、季節型インフルエンザA感染症も発生しだしたとの報告も出ています(朝日1216)(詳細はここ)ので、出来れば季節型インフルエンザワクチンの接種もお勧めします
インフルエンザワクチンの季節型と新型の同時接種を厚労省は認めていますので、同時接種は可能です
来シーズンのインフルエンザワクチンは、今回の混乱を教訓に、季節型と新型とを混ぜた製剤になる予定です
家庭内での相互感染を予防するには、岩間先生(三菱名古屋病院・前院長(小児科))の子ども診療日誌(朝日1/9)が役立ちます
B) 妊婦のインフルエンザワクチン接種について
(1) 当院で健診を受けている方は妊婦健診時に最優先で接種します 妊婦健診時にご相談下さい
(2) 当院以外で妊婦健診を受けている方は予約システムで予約してから、その病医院からの依頼状と母子健康手帳を持参してご来院下さい(補足説明)
新型インフルエンザワクチンは接種可能ですが、保存剤(チロメサール)フリーのシリンジ製剤は2月2日に最後の1本を使い切りました 今後は通常のワクチンでの接種となります(朝日11/13)
季節型インフルエンザワクチンは、1月13日で最後の1本を使い切りましたので、今シーズンの接種は終了しました
日本産婦人科学会のインフルエンザに対するQ&A を参照妊娠中・分娩後に新型インフルエンザは重症化した例が NEJM (2009/12/23) に詳しく載っています
C) 資料
当院を含めた愛知県県下小児科のインフルエンザ情報はここ
新型インフルエンザなどの情報・資料は、厚生労働省HPのここを参照
厚生労働省HPの新型インフルエンザワクチンQ&A
厚労省のインターネットTV・Flu関連(解説編、予防編、受診・治療編、子ども用アニメ)
(注目すべき新聞記事)ワクチン接種で混乱(中日11/2)(日経11/2夕刊)(朝日11/13)(中日11/20) (中日12/1)(中日12/10)(山本先生の怒りの紙面(朝日新聞・神奈川版))
ワクチン過信は禁物(読売11/22)
輸入予定のGSK社(カナダ製)の新型インフルエンザワクチンに重篤な副作用(朝日11/23・読売11/24)
新型インフルは小中学生では減少顕著なるも、まだ高レベル(日経12/12)
「新型インフルと区別できぬ」季節性も流行、医師は困惑(朝日12/16)
欧州ではだぶつく新型ワクチン(朝日12/20)
輸入ワクチン・副作用でも解約できず(中日12/24)
新型インフルワクチン「不足」一転「余る」(産経12/27)
子どもの接種用量見直しへ(共同通信12/28)
新型インフル「沖縄で流行再燃」(共同通信1/7)
余剰ワクチン寄付:WHO呼びかけ(毎日1/8)
新型インフル感染リスク 小児、20・30歳代の2.7倍(日経1/8)
新型インフル減少傾向 でも油断禁物(中日1/8)
新型インフルエンザワクチンだぶつく(朝日1/18)
新型ワクチン接種 誰でもOK 愛知 在庫たっぷり(読売1/27)
山積みワクチン・専門家「流行備え接種を」(読売1/30)
(その他)
インフルエンザワクチン効果・問題点についての辛口な記事が朝日新聞のアエラ(50号10/26発行)に載っています
このアエラの記事に関連して、副院長が日産婦医会報(H21年11月号)に寄稿したコーヒーブレイクをご笑覧下さい