インフルエンザ検出状況 (厚労省の報道発表、 国立感染症情報センター、 愛知県衛生研究所、名古屋市感染症情報センター、名古屋市内の学級閉鎖情報)
インフルエンザに罹った後の登校・登園の基準についてはここ。
昨季(2012年秋〜2013年春)は、名古屋では5月末までB型の小流行が続いていました。 (名古屋市内の学級閉鎖情報)
今季(2013年秋〜)は、愛知県小児科医会と名古屋市小児科医会のML情報では、9月中は愛知県でのインフルエンザ発生はありませんでしたが、10月第3週に、半田で父親1名・子ども1名、北区で母親1名・子ども2名の発生が、医会MLで報告されました(いずれもインフルエンザA型)。そろそろ、インフルエンザAが散発的に発生しだした様です。11月第3週には、昭和区の保育園で複数名、守山区で5歳男児1名のインフルエンザA型陽性例の報告がMLでありました。11月第5週には、長久手市の愛知医大病院で集団発生がありましたので、いよいよ流行期に入りかけているようです。愛知県・名古屋市の情報からは、豊橋、一宮、名古屋でインフルエンザが散発しています。
12/25には、愛知県はインフルエンザが流行期に入ったと判断注意喚起、1/22には、インフルエンザ警報を発令。
全国レベルでは、11月下旬から12月にかけて、福島、富山、愛媛でそれぞれ学級閉鎖が始まっています。
12月第1週、12/4に当院でも今季初めてインフルエンザA型が2例検出されました。いずれも名東区北○社小学校5年生(別クラス)で、インフルエンザワクチンは1回接種済の児童でした。日曜日に子供会で餅つき大会があって、両方ともそれに参加していますので、そこが共通感染源と思われます。リレンザを投与しました。12/5にもA型が1名(ワクチン未接種)検出され、同じ北○社小学校5年生で、同校5年で流行しはじめているのではと思われます。
12月第2週にはインフルエンザAが4例検出され、北○社小学校5年生2名、猪○中学校1年生1名、大学生1名でした。いずれもリレンザを投与しました。ワクチンは2名未接種、2名1回接種済でした。
12月第3週には、やはりインフルエンザAが4例検出され、西○小学校5年生2名、ひ○○り幼稚園1名、2歳児1名、いずれもワクチンは未接種で、リレンザ、タミフルを投与しました。
12月第4週、12/23(祭)、名東区医師会休日診療所に出務しましたが、成人4名、児童4名にインフルエンザAが検出され、その内2名が西○小学校の児童でした。 当院では、3歳児女児、猪○小学校1年男児の2名にA型が検出されました。12/20に終業式がありましたので、流行は一時的に終焉し本格的な流行は冬休み明けになると思われます。
平成26年1月第2週は、冬休み後のためか当院ではA型3名のみでしたが、第3週になると、インフルエンザ患者は20例(A型17例、B型3例)、第4週は32例(A型28例、B型4例)、第5週〜2月第1週はさらに51例(A型32例、B型19例)と爆発的に急増。名東区本郷小学校6年で学級閉鎖。
2月第2週は44例(A型21例、B型23例)、2月第3週は35例(A型11例、B型24例)、2月第4週は27例(A型9名、B型16名)、2月第5週(3月第1週を含む)は33例(A型7例、B型26例)と、B型が優位となり、当院ではほぼピークは過ぎたと思われます。
3月第2週は9例(A型8例、B型1例)と激減しましたが、3月第3週は17例(A型2例、B型15例)、3月第4週は19例(A型3例、B型16例)と再度増加しましたが、3月第5週は6例(A型1例、B型5例)、4月第1週は2例(B型)のみと収束しつつあります。
国立感染症研究所感染症疫学センターの集計では、インフルエンザが静岡県や岐阜県の一部地域で流行の兆しを見せている。10月21−27日の週の患者報告数は前週の3倍に増加。東京都や大阪府などの都市部でも学級閉鎖が出ました。全国約5000か所の定点医療機関当たりのインフルエンザ患者報告数は、10月21−27日の週の全国平均が1医療機関当たり0.06人。前週比で3倍となった。特に岐阜県の報告数は前週比5倍超の0.28人を記録。同県の中濃保健所管内では、全国的な流行入りの指標となる1.0人を大幅に上回る2.38人となっています。
当院では、H25年8月から、富士ドライケム IMMUNO AG1(高感度迅速インフルエンザキット)(富士フィルム社)を導入しましたので、今までよりも早期からインフルエンザ抗原を検出できるようになっています。
インフルエンザワクチンの入荷状況 (今季は10月1日より開始し、2月1日で終了)
ワクチンは例年通りに全量確保出来る予定のため、ワクチンの在庫確認の事前連絡はなしOKです。10/1以降、当院の予約システム(Web予約が便利)で日時を予約して、予め専用予診票に記入して、予約時間の10分前には来訪して予防接種専用待合室でお待ち下さい。
10/1より、通常品での接種を開始しています。チロメサールフリーでシリンジ(0.25ml & 0.5ml)充填済の製剤は、10/1時点では未入荷でしたが、10/4夕方に入荷しました。妊婦さんとチロメサールフリー製剤をご希望されるお子さんは、流通量が少ないため、やや高めになりますが、当院で接種可能。但しチロメサールフリー製剤は在庫限り(約50+α名分)となります。
当院は開業以来、基礎疾患のない健康な子どもさんへのインフルエンザワクチン接種はそれほど積極的には勧めてはいませんでした(理由は、その年に流行するインフルエンザ株の予想が以前は外れることが多かったためと、後述のように日本の接種量が少なすぎて充分な抗体が産生されにくい状況にあったため)。 しかし、その後、インフルエンザの流行株の予測精度も上昇し、2004年夏には米国小児科学会のインフルエンザワクチン接種勧告の改訂(健康な小児にもインフルエンザワクチンの接種を勧める内容)がされたため、平成17年度からは、当院も健康な小児と成人にもインフルエンザワクチン接種を行っています。(2012年度の米国小児科学会の乳幼児に対するインフルエンザワクチンに対する勧告はここ)。
今年のインフルエンザワクチンの接種は10月1日から、コンピュータ予約で2日前から予約可能です。今年は、災害なおどによる生産量低下はまぬがれているため、国家検定落ちさえ無ければ、ワクチンはほぼ充分ありますので、事前予約は不要で、コンピュータ予約で通常通り予約して下さい。(専用予診票ダウンロード)。
2011年秋から、インフルエンザワクチンの接種量が欧米と同量(後述)に引き上げられました。今までは0歳児は鶏卵アレルギーが不明なこと、日本の接種量は0.1ml/回と少なすぎて効果が期待できないため、当院では接種していませんでしたが、2011年秋からは欧米並に0.25ml/回と増量されたため、鶏卵アレルギーの無い6ヶ月以降の0歳児にも接種しています。ただし、鶏卵(特に卵白)がまだ未摂取でアレルギーの有無が不明な場合、家族歴で卵アレルギーの方がみえる場合などは、0歳児のインフルエンザワクチンは今年は見送って、ご両親や上のお子さんへの接種をお勧めします。
今年は、 A/カルフォルニア/7/2009(X-179A)(H1N1)pdm09株、A/テキサス/50/2012(X-223)(H3N2)株、B/マサチュセッツ/2/2012(BX-51B)株の3株で製造されていて、これ以外の型が流行した時は効果はありません。ただ、最近はシベリアからの渡り鳥の糞便を分析して流行する型を予想し、昨年の株より卵順化による抗原性変化の少ない株が選択されましたので、多分今年はハズレは少なくなる予定です。
1.インフルエンザワクチンは、現在の商品は鶏卵が製造過程で使用されているため、鶏卵アレルギーのある方は要注意です。インフルエンザワクチンによるアナフィラキシーショックの発生例が報告されているため、緊急事態に対応可能な大きな病院で接種して下さい。 但し、卵白アレルギーのあった子どもさんでも、現在、摂取可能になった方、採血で卵白IgG(RAST)が3+以下の方は十分な問診の上、接種後30分以上待合室で様子観察することを条件に、当院でも接種します。
現在、より安全性の高いチロメサールフリー(予めディスポ(0.5ml & 0.25ml)注射器に装填済・水銀ゼロ)のインフルエンザワクチンが特別に製品化されています。生産・流通量は5%と少ないですが、例年、当院では50本は確保できていて、現在、在庫は有ります。 当院で妊婦健診を受けている方は優先的に接種し、妊婦健診時に接種可能です。但し、無くなればチロメサール入りの通常品での接種となります。なお、他院で妊婦健診中の方は、現在使用中の母子健康手帳(必須)をご持参下さい。なお、本年からは、チロメサールフリーのディスポ(0.25ml)注射器製剤も市販されましたので、乳幼児で特に希望される方にも接種可能となりました。
インフルエンザワクチンは各医院・病院の自由料金です。当院は丁寧なる説明、看護婦ではなく医師自らの注射、予防接種ガイドラインに準じて接種後15分以上専用待合室(絵本・パソコン・TV完備)で様子観察させて頂いているため、他院よりやや高めかもしれませんが、当院の予防接種に対するポリシーもあって、安売りで患者さんを集める手段にはしたくありませんので、よろしくご理解下さい。
当院のインフルエンザワクチン料金 (1回当り) | 接種費用(税込) |
6ヶ月〜3歳未満 (0.25ml) (2回必要) (通常品) | 2,800円/回 |
3歳〜13歳未満 (0.5ml) (2回必要) (通常品) | 3,300円/回 |
13歳以上〜 (0.5ml) (1回または2回) (通常品) (受験生などで2回目接種時 3,300円) | 3,500円/回 |
1歳〜3歳未満 (0.25ml) (2回必要) (チロメサールフリー(水銀ゼロ)・シリンジ充填製剤)(水銀を気にされる方) | 3,300円/回 |
妊婦・3歳以上 (0.5ml)(13歳以上1回、13歳未満2回)(チロメサールフリー(水銀ゼロ)・シリンジ充填製剤)(水銀を気にされる方) | 3,800円/回 |
★ 厚労省HPに、インフルエンザの解説 が掲載されています ★
★ 朝日新聞のアエラ(2009/10/26)の記事に関連して、副院長が日産婦医会報(H21年11月号) に寄稿した「コーヒーブレイク」を ご笑覧下さい ★