インフルエンザ検出状況 (厚労省の報道発表、 国立感染症情報センター、 愛知県衛生研究所、名古屋市感染症情報センター、名古屋市内の学級閉鎖情報)
インフルエンザに罹った後の登校・登園の基準についてはここ。
昨季(2014年秋〜2015年春)は、名古屋では4月までB型の小流行が続いていました。(名古屋市内の学級閉鎖情報)
今季(平成27年秋〜冬)の流行は、9月2日岡ア市の幼稚園でインフルエンザA型の集団流行が報じられました。また、10月6日には名古屋市西区山田小5年でインフルエンザB集団発生で学級閉鎖となりました(名古屋市内の学級閉鎖情報)が、その後の流行は収まっていました。今年は11月〜12月は暖かったためか、名古屋市内でのインフルエンザ発生は西区を除いて僅かなようです。1月からは寒波が襲来するとの情報ですので、どうぞご用心して、手洗い、うがい、マスク着用、規則正しい生活を心がけて下さい。
1月9日に、当院では今季初めてのインフルエンザA(愛○教○付属中3)を認めました。父親がインフルエンザをすでに発症していて、家族内感染でした。小児科医会ML・名古屋市HPの情報では、天白区表山小1年がA型インフルエンザで学級閉鎖、緑区南陵小1が学級閉鎖、瑞穂の小学生でB型インフルエンザ1人、内科でも AもB先週末からでているようです。また南区道○小でもインフルエンザAが流行し始めたようです(名古屋市内の学級閉鎖情報)。1月15日午前に当院は、インフルエンザA2名(千種区富○見台小3年、守山区金○幼稚園年中、いずれも家族にインフルエンザ発症は無し)が検出されました。1月19日夕方には、インフルエンザB1名(長久手市○洞小4年)も検出されました。1月20日には、千種区富○見台小1年とその両親(合計3名A型)、1月21日には富○見台小1年1名、第3自○が丘幼稚園1名、1歳児とその母親(合計4名)が、それぞれA型でした。1月22〜23日にかけて、一家3名がFluA(8歳(名東区猪○石小2年)、2歳、母親)に罹患された家族がおみえになりました。いよいよ、流行し始めたと思われます(1月20日・愛知県はインフルエンザ注意報を発令)。
1/24(日)は名東区医師会休日診療所に出務しましたが、小児でFluA 8名が検出されました。1/25(月)、当院でもFluA 7、FluB 1名が検出されました。平成28年1月第5週(1/25〜1/30)における当院のインフルエンザ検出は、29名(A型20名、B型9名)でした。 いよいよ本格的な流行期に入ったと思われます。
2月第1週(2/1〜2/6)における当院のインフルエンザ患者数は、63名(A型47名、B型16名) とさらに急増しています(愛知県は2月3日にインフルエンザ警報を発令))。2/7(日)の名東区医師会休日診療所は、診察希望の患者さんで溢れかえって大変だったと漏れ聞きました。2月第2週(2/7〜2/13)、当院のインフルエンザ患者数は、59名(A型26名、B型33名)とB型優位となりました。やはり2/11(祝)も名東区医師会休日診療所は、診察希望の患者さんで溢れかえって大変だったようです。今がピークの感じがしています。2月第3週(2/15〜2/20)、当院のインフルエンザ患者数は、53名(A型14名、B型39名)と完全にB型優位となりました。2月第4週(2/22〜2/27)、当院のインフルエンザ患者数は、62名(A型23名、B型38名、A+B同時感染1名)となりました。
3月第1週(2/29〜3/5)における当院のインフルエンザ患者数は、66名(A型13名、B型53名)で、まだまだ、B型の流向が続いています。3月第2週(3/7〜3/12)、当院のインフルエンザ患者数は、27名(A型7名、B型20名)と半減しました。3月第3週(3/14〜3/19)は、21名(A型6名、B型15名)、3月第4週(3/22〜3/26)は12名(全てB型)、3月第5週(3/28〜4/2)は9名(A型3名、B型6名)とさらに減少しました。
4月第2週(4/4〜4/9)における当院のインフルエンザ患者数は、5名(A型2名、B型3名)、4月第3週(4/11〜4/16)は2名(いずれもB型)、4月第4週(4/16〜4/23)も2名(いずれもB型)と激減、4月第5週には0名となりました。
従来のインフルエンザワクチンは3価(A型2種類+B型1種類)でしたが、今年度から米国と同じように4価(A型2種類+B型2種類)に大幅改訂され、製造工程が複雑になるため製造本数は減少し、定価1.5倍、納入価1.67倍となりました。今年度は化血研のインフルエンザワクチンの出荷遅れなどで混乱していますが、当院はメーカーおよび卸の協力の元に、化血研ではないインフルエンザワクチン(デンカ・ビケン・北里)をほぼ全量確保してあり、在庫確認の事前連絡は不要で、当院の予約システム(2日前から予約可能、予防接種>インフルエンザを選択)で予約してから、中学生以下は母子健康手帳を一緒に必ず、ご持参しながら、ご来院下さい。
当院では、H25年8月から、富士ドライケム IMMUNO AG1(高感度迅速インフルエンザキット)(富士フィルム社)を導入していますので、他院よりも高感度でインフルエンザ抗原を検出できるようになっています。
インフルエンザワクチンの入荷状況 (10月1日より開始、1月30日に終了)
化血研のインフルエンザワクチンの出荷遅れなどで混乱していますが、当院は他の三社(デンカ・ビケン・北里)に毎年取引実績があるため、ワクチンは例年通りにほぼ全量確保出来る見込みであり、ワクチンの在庫確認の事前連絡はなしOKです。10/1以降、当院の予約システム(Web予約が便利・2日前から予約可能)で予約して、できれば自宅で予め専用予診票に記入して、予約時間の10分前には来訪して予防接種専用待合室で体温測定(5分実測計・20秒〜1分予測計は不正確なため不採用)をしてお待ち下さい。
10/1より、通常品での接種を開始中です。なお、チメロサール(水銀系防腐剤)フリーでシリンジ(0.25ml & 0.5ml)充填済の製剤は、例年、入荷が遅れやすいですが、10月13日に入荷しました、(0.5ml製剤、0.25ml製剤)。妊婦さんとチメロサールフリー製剤をご希望されるお子さんは、流通量が少ないため、やや高めになりますが、当院で接種可能です。但しチメロサールフリー製剤は在庫限り(約50+α名分)で、12月22日に在庫切れとなりましたが、12/25に再入荷しました。但し、品切れの場合は通常品での接種となります。
当院は開業以来、基礎疾患のない健康な子どもさんへのインフルエンザワクチン接種はそれほど積極的には勧めてはいませんでした(理由は、その年に流行するインフルエンザ株の予想が以前は外れることが多かったためと、後述のように日本の接種量が少なすぎて充分な抗体が産生されにくい状況にあったため)。 しかし、その後、インフルエンザの流行株の予測精度も上昇し、2004年夏には米国小児科学会のインフルエンザワクチン接種勧告の改訂(健康な小児にもインフルエンザワクチンの接種を勧める内容)がされたため、平成17年度からは、当院も健康な小児と成人にもインフルエンザワクチン接種を行っています。
今年のインフルエンザワクチンの接種は10月1日から開始中で、コンピュータ予約で2日前から予約可能です(万一、在庫切れの場合はWEb予約ではインフルエンザの項目が抜けています)。今年は国立衛生試験所での一部メーカー検定遅れのため入荷が遅れているようですが、国家検定落ちさえ無ければ、当院はワクチンはほぼ充分ありますので、事前予約は不要で、コンピュータ予約で通常通り予約して下さい。(専用予診票ダウンロード)。
今年はインフルエンザワクチンは大幅にモデルチェンジされました。今まで3価(A型2種類、B型1種類)であったワクチンは、米国と同様に4価(A型2種類、B型2種類)となりました。 A/カルフォルニア/7/2009(X-179A)(H1N1)pdm09株、A/スイス/9715293/2013(NIB-88)(H3N2)株、B/プーケット/30732/2013(山形系統)株、B/テキサス/2/2013(ビクトリア系統)の4株で製造され、効きにくかったB型が2種類に補強されました。ただし、これらの系統株と異なる株が流行した時は効果は今一つになります。最近はシベリアからの渡り鳥の糞便を分析して流行する型を予想し、昨年の株より卵順化による抗原性変化の少ない株が選択されるような工夫が日本ではされていますので、だんだんとハズレは少なくなる予定です。
1.インフルエンザワクチンは、現在の商品は鶏卵が製造過程で使用されているため、鶏卵アレルギーのある方は要注意です。インフルエンザワクチンによるアナフィラキシーショックの発生例が報告されているため、以前にワクチンによるアレルギー反応が出現された方は緊急事態に対応可能な大きな病院で接種して下さい。 但し、卵白アレルギーのあった子どもさんでも、現在、摂取可能になった方、採血で卵白IgG(RAST)が3+以下の方は十分な問診の上、接種後30分以上待合室で様子観察することを条件に、当院でも接種します。
現在、より安全性の高いチメロサール(水銀系防腐剤)フリー(予めディスポ(0.5ml & 0.25ml)注射器に装填済)のインフルエンザワクチンが特別に製品化されています。生産・流通量は5%と少ないですが、例年、当院では50本は確保できていて、現在、在庫はあります。 当院で妊婦健診を受けている方は優先的に接種し、妊婦健診時に接種可能です。但し、無くなればチメロサール入りの通常品での接種となります。なお、他院で妊婦健診中の方は、現在使用中の母子健康手帳(必須)をご持参下さい。なお、一昨年からは、チメロサールフリーのディスポ(0.25ml)注射器製剤も市販されましたので、乳幼児(1歳以上)で希望される方にも接種可能です。
インフルエンザワクチンは各医院・病院の自由料金です。当院は丁寧なる説明、看護婦ではなく医師自らの注射、予防接種ガイドラインに準じて接種後15〜20分以上専用待合室(絵本・パソコン・アニメ映画放映中)で様子観察させて頂いているため、他院よりやや高めかもしれませんが、当院の予防接種に対するポリシーもあって、安売りで患者さんを集める手段にはしたくありませんので、よろしくご理解の上、ご予約下さい。
なお、今年から、インフルエンザワクチンは大幅にモデルチェンジされ、3価から4価となり、各メーカーからの納入価格も大幅に67%upしましたので、まことに申し訳ありませんが、今年のインフルエンザワクチン料金は大幅値上げせざるを得ませんでした。例年きちんと接種されて来た方であれば、米国CDCの2015勧告では1回のみで可との記述(Fig1)もありますので、価格アップで家族全員打つのは大変と思われている方は1回接種にされるのも妥協案としては良いのではと考えています。ただし、受験生は2回接種をお勧めしています。
平成27年度 当院のインフルエンザワクチン料金 (1回当り) | 接種費用(税込) |
6ヶ月〜3歳未満 (0.25ml) (2回接種) (通常品) | 3,300円/回 |
3歳〜13歳未満 (0.5ml) (2回接種) (通常品) | 3,600円/回 |
13歳以上〜 (0.5ml) (1回または2回)(通常品) (受験生などは2回接種がベター、2回目は値引き有り) | 3,700円/回 |
1歳〜3歳未満 (0.25ml) (2回接種) (チメロサールフリー(水銀ゼロ)・シリンジ製剤) | 3,800円/回 |
妊婦・3歳以上 (0.5ml) (13歳以上1回、13歳未満2回) (チメロサールフリー(水銀ゼロ)・シリンジ製剤) | 4,200円/回 |
★ 厚労省HPに、インフルエンザの総合解説 が掲載されています ★
★ 朝日新聞のアエラ(2009/10/26)の記事に関連して、副院長が日産婦医会報(H21年11月号) に寄稿した「コーヒーブレイク」を ご笑覧下さい ★