インフルエンザ検出状況 (厚労省の報道発表、 国立感染症情報センター、 愛知県衛生研究所、名古屋市感染症情報センター、名古屋市内の学級閉鎖情報)
インフルエンザに罹った後の登校・登園の基準についてはここ。
名古屋では4月末まで小流行が続いていました。4月第2週(4/4〜4/9)における当院のインフルエンザ患者数は、5名(A型2名、B型3名)、4月第3週(4/11〜4/16)は2名(いずれもB型)、4月第4週(4/16〜4/23)も2名(いずれもB型)と激減、4月第5週には0名となりました。
今季(平成28年春〜秋冬)の流行は、沖縄地方で小流行が見られていましたが、夏季はほぼ終焉し、散発的な発生に留まっていました。しかし、平成28年9月20日豊明市栄中学校で、1年生と2年生の3クラスで、生徒あわせて20人が発熱やせきなどの症状を訴えて欠席、インフルエンザA型ウイルスが検出。中学校は欠席が相次いだ3つのクラスを21日から3日間、学級閉鎖。県内でインフルエンザによる学級閉鎖が行われるのは今シーズン初めてで、去年より2週間ほど早いです(愛知県集団かぜ発生状況)。
10月3日、南区の県立名古屋南高校で17人が欠席、内7人がインフルエンザAと診断されたと小児科MLで天白区松川先生から情報提供がありました。10月13日には、北区清水小学校6年生の1クラスで学級閉鎖が有りました(名古屋市内の学級閉鎖情報)。10月20日、当季初めてのインフルエンザAの患者がありました。千種区富○見○小学校2年の女児で、発熱、咳、嘔吐で来院され、Flu迅速検査でA型陽性で、リレンザを処方しました。ワクチンは未接種で家族内発生も無いそうで、聞いた所、同じクラスで1名インフルエンザ発生がすでにあったそうです。10月25日、名東区猪○石第○保育園で4歳の男児でA型陽性でタミフルDSを投与しました。10月31日、小児科MLで南区寺田先生から南区○城中学1年でA型を検出したとの情報です。
11月7日、名東区藤森中学2年4組で15名の患者発生、11月14日には、高針小学校4年1組・2組で45名の患者発生、学級閉鎖しました。11月26日、当院でも、蓬○小5年男児、第○自○が丘幼稚園年中組女児、いずれもA型が検出されました。いよいよ名東区でも学級閉鎖が発生し始めました(名古屋市内の学級閉鎖情報)。
12月3日、当院で3名のインフルエンザA陽性患者さんがありました。名○保育園、猪○小2年、主婦の方でした。12/5〜12/10には当院でA型陽性者が6名と急増しました。4〜12歳で、花○保育園、猪○小、猪○石小に通う子供さん達でした。当院の近くの猪子石小6年2組は12/8に、やや離れている名東小2年5組は12/13に学級閉鎖となりました(名古屋市内の学級閉鎖情報)。 そろそろ、本格的に流行しはじめたようです。12/12〜12/17の週は、激減して当院ではインフルエンザは1名(A型、守○小6年女児)のみでした。それに引き替え、感染性胃腸炎(ほとんどがノロウイルス)が12名と多く発症しています。12/19〜12/24の週は、当院でのインフルエンザ患者さんは10名(全てA型で、蓬○小4名、東○幼3名、引○小1名、愛○西○幼1名、名○中1名)でした。12月の産後の週(12/26〜12/28)では、当院では3名の患者(9ヶ月、1歳、36歳、いずれもA型)がありましたが、家族内発症が多い感じがします。
1月第1週(1/5〜1/7)は、当院のインフルエンザ患者数は7名(A型6名、B型1名、3〜50歳)で、今季初めてB型が検出されました。診療日3日間のみで7名と急増しています。
1月11日に、愛知県はインフルエンザ警報を発令しました。1月第2週(1/10〜1/14)の当院のインフルエンザ患者数は28名(A型27名、B型1名、11ヶ月〜36歳)で、さらに大幅に急増しました。1/15、名東区医師会休日診療所に出務しましたが、子供・大人併せて約60名余りの来院患者がいましたが、インフルエンザ検査で陽性は全部で35名でした。小児に限れば、有熱者の8割以上が陽性でした。大流行になりつつあるようです(国立感染研インフルエンザマップ)。 1/16には近くの千種区自由ヶ丘小1年、1/18には名東区本郷小、名東小、西山小、愛英名東幼がそれぞれ学級閉鎖されました。1月第3週(1/16〜1/21)、当院のインフルエンザ患者数は31名(全てA型、1〜33歳)。1月第4週(1/23〜1/28)の当院のインフルエンザ患者数48名(全てA型、3ヶ月〜13歳)とさらに急増中です。直ぐ近くの名東区北一社小と本郷小も1/24に、少し離れた守山区小幡小と苗代小も1/27に、名東区蓬来小、猪子石小、平和が丘小、香流小、名東小、本郷小、豊ヶ丘小、あいわ幼稚園などが1/31に学級閉鎖となりました(名古屋市内の学級閉鎖情報)。
1月第5週(=2月第1週、1/30〜2/4)の当院のインフルエンザ患者数は64名(全てA型、1〜38歳)で、当院近くの蓬来小、香流小、平和が丘小、北一社小、宮根小などが目立ちました。2月第2週(2/6〜2/10)は、診療日が祝日で1日少ないですが、当院のインフルエンザ患者数は34名(全てA型、1〜55歳)と減少傾向となりました。2月第3週(2/13〜2/18)はさらに減少して27名(全てA型、1歳〜42歳)となっています。2月4週(2/20〜2/25)さらに減少して22名(すべてA型、4歳〜33歳)となりました。2月第5週(3月第1週、2/27〜3/4)の患者数はさらに減少して13名(全てA型、2歳〜9歳)、3月第2週(3/6〜3/11)はさらに減少して、5名(全てA型、3歳〜12歳)でした。3月第3週(3/13〜3/18)はさらに減少して2名(全てA型、7〜13歳)となりましたが、第4週(3/21〜3/25)は7名(全てA型、7ヶ月〜11歳)、第4週(3/27〜4/1)は12名(A型10名、B型2名、1歳〜39歳)と反転増加しました。しかし、4月第2週(3/3〜4/8)は2名(いずれもB型)と減少に転じました。4/9(日)は名東区医師会休日診療所に出務しましたが、小児のインフルエンザは4名(A型1名、B型3名)いましたが、3月のような勢いはなく、終焉に向かうと思われます。(名古屋市内の学級閉鎖情報)
当院のインフルエンザワクチンの在庫は、12/26で微研・北里・デンカ生研は使い切りましたが、化血研は剰っていて、2/4までは事前の在庫確認無しで接種可能でしたが、現在は終了しています。(専用予診票ダウンロード(PDF))。
今年度は化血研の熊本工場が地震災害を受けた関係で各種ワクチンの出荷遅れと生産量減少で混乱しています。当院はメーカーおよび卸の協力の元に、インフルエンザワクチンはほぼ全量確保したつもりですが、生産量が昨年に比し約10%減少のため、12月末以降の入手は困難になる可能性もありえます。その時は、Web予約上でインフルエンザの項は消えていて予約不可能としてあります。このため、当院では10月に入ったら、早めの接種をお勧めしています(2回目接種はしっかり4週あけた方が効果的)。
当院のWeb予約システム(2日前から予約可能、予防接種>インフルエンザを選択)で予約してから、中学生以下は母子健康手帳を一緒に必ず、ご持参しながら、保護者同伴でご来院下さい。在庫確認の事前連絡は不要(専用予診票ダウンロード(PDF))。
当院では、H25年8月から、富士ドライケム IMMUNO AG1(高感度迅速インフルエンザキット)(富士フィルム社)を導入していますので、他院よりも高感度でインフルエンザ抗原を検出できるようになっています。
インフルエンザワクチンの入荷状況 (10月1日より開始、2月4日に終了)
化血研の熊本工場に地震災害のため各種ワクチンの生産遅れで混乱していますが、当院は例年通りにほぼ全量確保出来る見込みであり、ワクチンの在庫確認の事前連絡はなしOKです。10/1以降、当院の予約システム(Web予約が便利・2日前から予約可能)で予約して、できれば自宅で予め専用予診票に記入して、予約時間の10分前には来訪して予防接種専用待合室で体温測定(5分実測計・20秒〜1分予測計は不正確なため不採用)をしてお待ち下さい。
当院のインフルエンザワクチンの在庫は、12/26で微研・北里・デンカ生研は使い切りましたが、化血研であればまだ在庫があり、取り寄せも可能な状況ですので、予約を取ってご来院すれば、事前の在庫確認無しで接種可能です(専用予診票ダウンロード(PDF)。
チメロサール(水銀系防腐剤)フリーでシリンジ(0.25ml & 0.5ml)充填済の製剤は、例年、妊婦さんとチメロサールフリー製剤をご希望されるお子さんには、やや高めになりますが、接種していました。但し今年は、チメロサールフリー製剤は化血研での生産量減少のため、他社が増産体制をひくようにとの厚労省の要請があり、やむなく今年度は生産中止となり、1mlバイアル瓶のみの生産になるそうです。つまり、今年度は通常品での接種のみとなります。(日本産婦人科学会はチメロサール入りインフルエンザワクチンで妊婦への接種は可との見解を表明)
なお、鼻から吸入する生ワクチン(LAIV:FluMist:英国アストロゼネガ社製:発売第一三共・ジャパンワクチン)は、国内での臨床治験を終了していますが、今期の接種時期には発売は間に合わないとの発売元からの情報です。正式発売前に個人輸入でFluMistを接種されている医療機関もありますが、厚労省の正式認可を受けていない医薬品での健康被害は救済給付の対象外となるため、当院では厚労省が正式認可した後でしか患者さんには投与いたしません。さらに、米国ACIPは2016-2017のLAIV(FluMist)は効果が低いため使用すべきでないとの勧告をしていますので、当院では今季のFluMistの接種は行いません。
当院は開業以来、基礎疾患のない健康な子どもさんへのインフルエンザワクチン接種はそれほど積極的には勧めてはいませんでした(理由は、その年に流行するインフルエンザ株の予想が以前は外れることが多かったためと、後述のように日本の接種量が少なすぎて充分な抗体が産生されにくい状況にあったため)。 しかし、その後、インフルエンザの流行株の予測精度も上昇し、2004年夏には米国小児科学会のインフルエンザワクチン接種勧告の改訂(健康な小児にもインフルエンザワクチンの接種を勧める内容)がされたため、平成17年度からは、当院も健康な小児と成人にもインフルエンザワクチン接種を行っています。
今年のインフルエンザワクチンの接種は10月1日から開始で、コンピュータ予約で2日前から予約可能です(万一、在庫切れの場合はWEb予約ではインフルエンザの項目が抜けています)。今年は国立衛生試験所での一部メーカー検定遅れのため入荷が遅れているようですが、国家検定落ちさえ無ければ、当院はワクチンはほぼ充分あります(但し、製造メーカーは入荷状況によってその時その時で違う可能性があります)。事前予約は不要で、コンピュータ予約で通常通り予約して下さい。(専用予診票ダウンロード)。
昨年度からインフルエンザワクチンは大幅にモデルチェンジされました。一昨年まで3価(A型2種類、B型1種類)であったワクチンは、米国と同様に4価(A型2種類、B型2種類)となりました。 今年度の株は、A/カルフォルニア/7/2009(X-179A)(H1N1)pdm09株、A/香港/4801/2014(X-263)(H3N2)株、B/プーケット/3073/2013(山形系統)株、B/テキサス/2/2013(ビクトリア系統)の4株で製造され、昨年度とほぼ同じ株(A型香港系の変更)で作成される予定です。ただし、これらの系統株と異なる株が流行した時は効果は今一つになります。最近はシベリアからの渡り鳥の糞便を分析して流行する型を予想し、昨年の株より卵順化による抗原性変化の少ない株が選択されるような工夫が日本ではされていますので、だんだんとハズレは少なくなる予定です。
1.インフルエンザワクチンは、現在の商品は鶏卵が製造過程で使用されているため、鶏卵アレルギーのある方は要注意です。インフルエンザワクチンによるアナフィラキシーショックの発生例が報告されているため、以前にワクチンによるアレルギー反応が出現された方は緊急事態に対応可能な大きな病院で接種して下さい。 但し、卵白アレルギーのあった子どもさんでも、現在、摂取可能になった方、採血で卵白IgG(RAST)が3+以下の方は十分な問診の上、接種後30分以上待合室で様子観察することを条件に、当院でも接種します。
残念ながら、より安全性の高いチメロサール(水銀系防腐剤)フリー(予めディスポ(0.5ml & 0.25ml)注射器に装填済)のインフルエンザワクチンは、今年度は熊本地震で生産量が落ちたメーカーの補充のために、厚労省の要請を受けて、北里・阪大微研は通常品(1mlバイアル瓶)のみの製造になるそうです。このため今年度はチメロサール入りの通常品での接種となります。なお、他院で妊婦健診中の方は、現在使用中の母子健康手帳(必須)をご持参下さい。
インフルエンザワクチンは各医院・病院の自由料金です。当院は丁寧なる説明、看護婦ではなく医師自らの注射、予防接種ガイドラインに準じて接種後15〜20分以上専用待合室(絵本・パソコン・アニメ映画放映中)で様子観察させて頂いているため、他院よりやや高めかもしれませんが、当院の予防接種に対するポリシーもあって、安売りで患者さんを集める手段にはしたくありませんので、よろしくご理解の上、ご予約下さい。
なお、昨年度から、インフルエンザワクチンは大幅にモデルチェンジされ、3価から4価となり、各メーカーからの納入価格も大幅に67%upしましたので、まことに申し訳ありませんが、昨年からインフルエンザワクチン料金は大幅値上げせざるを得ませんでした。例年きちんと接種されて来た方であれば、米国CDCの2015勧告では1回のみで可との記述(Fig1)もありますので、価格アップで家族全員打つのは大変と思われている方は1回接種にされるのも妥協案としては良いのではと考えています。ただし、受験生は2回接種をお勧めしています。
平成28年度 当院のインフルエンザワクチン料金 (1回当り) | 接種費用(税込) |
6ヶ月〜3歳未満 (0.25ml) (2回接種) (通常品) | 3,300円/回 |
3歳〜13歳未満 (0.5ml) (2回接種) (通常品) | 3,600円/回 |
13歳以上〜 (0.5ml) (1回または2回)(通常品) (受験生などは2回接種がベター) | 3,600円/回 |
1歳〜3歳未満 (0.25ml) (2回接種) (チメロサールフリー(水銀ゼロ)・シリンジ製剤) | 今年度は生産中止 |
妊婦・3歳以上 (0.5ml) (13歳以上1回、13歳未満2回) (チメロサールフリー(水銀ゼロ)・シリンジ製剤) | 今年度は生産中止 |
2歳〜49歳 (FluMist:鼻噴霧式生ワクチンで1回吸入のみ、妊婦・気管支喘息患者を除く) | 当院は個人輸入は扱いません |
★ 厚労省HPに、インフルエンザの総合解説 が掲載されています ★
★ 朝日新聞のアエラ(2009/10/26)の記事に関連して、副院長が日産婦医会報(H21年11月号) に寄稿した「コーヒーブレイク」を ご笑覧下さい ★
6/25、8/1、8/19、9/22、10/14、10/20、10/31、11/911/18、11/26、12/3、12/10、12/17、12/26、
1/4、1/8、1/15、1/18、1/22、1/28、1/31、2/4、2/10、2/18、2/26、3/5、3/12、3/18、3/26、4/2、4/9 一部修正