インフルエンザの情報 平成29年度版・H29秋〜H30春 
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今季のインフルエンザワクチン(通常品)接種は、10月10日から開始
(ワクチン(通常品)は12月下旬に再入荷あり、2月中旬まで接種可能12/23(祝)午前も臨時接種)
(妊婦用のチメロサールフリー製品は在庫切れのため通常品で接種中)  
(当院の予約サイト専用予診票ダウンロード(PDF)

(米国CDCの2015年インフルエンザワクチンに関する勧告
(米国産婦人科学会は2014年に全妊婦への接種を勧告Q&A))(母体への接種は新生児にも有効 NEJM2014/9/4)


インフルエンザ検出状況  (厚労省の報道発表、 国立感染症情報センター、 愛知県衛生研究所名古屋市感染症情報センター名古屋市内の学級閉鎖情報)  

  インフルエンザに罹った後の登校・登園の基準についてはここ

  名古屋では4月末まで小流行が続いていましたが、ゴールデンウィークを過ぎてからは、発生数は激減しました。

 今季、愛知県としては初めて、9/12に安城でインフルエンザAによる学級閉鎖がありました(愛知県学級閉鎖情報)。全国的にも例年よりも早い流行が始まっているようです(朝日新聞(9/15))。10/17には、岐阜県大垣市でインフルエンザAによる学級閉鎖が報道されました名古屋TV。未確認情報ですが、学級閉鎖には至らなかったそうですが、東区愛知教育大付属幼稚園と小学校でインフルエンザが流行したそうです。10/23には名東区高針台中学校10/30には千種区星が丘小学校にてインフルエンザによる学級閉鎖。11/13には熱田区の発達センターあつたの4クラスが学級閉鎖、11/30には守山区志段味東小学校で学級閉鎖、12/4には南区宝南小学校で学級閉鎖、12/8には守山区名進研小学校3年学年閉鎖、同区二城幼稚園でも学級閉鎖、12/13には守山区名進研小学校5年東区明和高校1年学級閉鎖。12/19には名東区高針幼稚園年中組牧の原小学校6年学級閉鎖。名古屋市内の学級閉鎖情報

  当院では、今季として初めてのインフルエンザが11/29に2名ありました。いずれも名東区香○保育園に通っている3歳児(男女1名づつ)でB型で、タミフルDSを投与。家族の話では、当保育園では学級閉鎖には至っていないが、インフルで休んでいる子供さんがいるとのことでした。12/2には、守山区天○田小学校1年生B型(+)となりタミフルDSを投与。12/5には、名東区猪○石中学1年生で今季初めてのA型が検出、リレンザを投与、12/9には香○保育園3歳児でA型を検出、タミフルを投与しました。12/13には、名東区北○社小学校4年生と守山区大森北小学校2年生でいずれもB型が検出、12/14^○中学1年生守山区森○保育園年長組B型12/15よ○ぎ保育園2歳児A型、千○田橋保育園年長児でB型、12/16には千○田橋保育園年長児でB型、北○社小学校4年でA型が検出されました。2例がインフルエンザワクチンを1回のみ接種していましたが、残りの症例全てはワクチンは未接種でした。さらに、12/18〜12/22にはA型8例、B型7例を検出、12/25〜12/28にはA型7例、B型10例を検出しました。12月でB型が流行するとは、例年と違ったパターンです。いよいよ、インフルエンザの流行期に入ってきたと思います。12/28には、愛知県はインフレエンザ警報を発令しました。

 平成30年1月になってからは、さらにインフルエンザはさらに流行してきています。当院では、1/9〜1/13の間に、A型16名、B型5名で合計21名の患者さんがありました。1歳〜11歳までに分布していて、ほとんどが保育園〜小学校に通っている児でした。1/15〜1/20には、A型31名、B型26名で合計57名、1/22〜1/28にはA型27名、B型46名で合計73名と急増、1/29〜2/3にはA型9名、B型52名で合計61名、2/5〜2/10には、A型20名、B型45名の合計65名ピーク状態でした。2/13〜2/17は祭日が1日入っていますが、A型6名、B型28名の合計34名ほぼ半減、2/19〜2/24にはA型4名、B型24名の合計28名、2/26〜3/3にはA型4名、B型22名の合計26名となってきましたので、ピークは過ぎたと思われます。

 名古屋市内の当院近くの流行状況は、1/15には、千種区東山小5年、富士見台小1年、名東区西山小4年で学級閉鎖、1/17には千種区富士見台小5年、昭和区南山中2年、名東区猪高小2年、名東小2年、西山小1年枝、守山区小幡北小3年で学級閉鎖、1/18には、名東区藤が丘小学校6年、1/19には^高幼稚園、1/22名東区名東小、引山小、西山小、本郷小、猪子石中、1/23には平和が丘小、西山幼稚園、1/29には藤ヶ丘小、引山小、猪高小、平和が丘小、猪子石小、極楽小、高針台中、1/30には北一社小、藤ヶ丘小神丘中、1/31には蓬来小、名東小、極楽小、貴船小、猪子石小、2/1には高針小にて学級閉鎖との情報名古屋市内の学級閉鎖情報


 当院でのインフルエンザワクチン(通常品)接種は10月10日(火)から開始(10月初旬に入荷済)、生産量が20%減(昨年度使用量に比し4%不足)(Fig1)で入手困難な医療機関も多くCBnews)、混乱気味日経11/13ですが、当院は各メーカーと卸のご協力で前年度とほぼ同量を確保できたつもりでしたが、11月下旬からは入荷数が大幅に減少し、当院でも在庫がほぼ底をつきかけて、予約を一時中止するも少量の入荷あったため12/7〜12/9は接種可能、12/11以降は一時中断、12/13、12/15、12/20に再入荷有り、12/14以降は接種可能となりました。12/23(祝日)午前も臨時でインフルエンザワクチン接種を行いました。12月中旬以降でワクチン供給は安定する見込み(毎日新聞(12/2))と報道されています。当院は12月下旬に遅れていたワクチンの再入荷がしっかりとありましたので、2月中旬までは在庫を確保できました。

 予約はWeb予約でインフルエンザの項目があれば在庫あり、無ければ在庫無しを意味します。2日前から、Web予約で予防接種>インフルエンザを選んで予約して下さい専用予診票ダウンロード(PDF)。 

 なお、妊婦用のチメロサールフリーのシリンジ入りワクチン(微研)の入荷は遅れていましたが10/18にようやく入荷しました。しかし、本数が半減しましたので、当院で妊婦健診を受けている患者さんに限定して接種。しかし、12/21に最後の1本を使用し、今季のチメロサールフリーワクチンの接種は終了しました。今後は当院の妊婦さんも通常品での接種となります


 今年度は、A型株の変更に伴い、生産量が昨年に比し20%減少(昨年度使用量に比し4%不足)(Fig1)しているため、各医療機関への納入量は減少CBnewsし、混乱しています日経11/13が、当院はほぼ前年度と同量を確保出来ました。ただし、今年は入荷にムラがあるため、在庫が無い時は、Web予約上でインフルエンザの項を抹消して予約不可能にしています。数日後に再度Web予約で在庫を確認して予約して下さい。今年は、早めの接種をお勧めしています(2回目接種はしっかり4週以上あけた方が効果的)。

 当院のWeb予約システム(2日前から予約可能、予防接種>インフルエンザを選択)で予約してから、中学生以下は母子健康手帳を一緒に必ず、ご持参しながら、保護者同伴でご来院下さい。在庫はWeb予約で確認して下さい。


 当院では、H25年8月から富士ドライケム IMMUNO AG1(高感度迅速インフルエンザキット)(富士フィルム社)を導入していますので、他院よりも高感度でインフルエンザ抗原を検出できるようになっています。
 


 インフルエンザワクチンの接種 (2月中旬まで接種可能、12/23(祝日)の午前も臨時接種Web予約

  電話予約ではなく、ワクチンの在庫の確認のできるWeb予約で予約して下さい(万一、在庫切れの場合は予防接種の項のインフルエンザが抹消されています。電話予約にはこの機能がありません)

 当院の予約システム(Web予約が便利・2日前から予約可能)で予約して、できれば自宅で予め専用予診票に記入して、予約時間の10分前には来訪して予防接種専用待合室体温測定(5分実測計・20秒〜1分予測計は不正確なため不採用)をしてお待ち下さい。

 チメロサール(水銀系防腐剤)フリーでシリンジ(0.25ml & 0.5ml)充填済の製剤は、例年、妊婦さんに優先して接種しています。やや高めになります。 今年は、チメロサールフリー製剤は微研で0.5ml製剤のみの生産のため、相当厳しい入荷状況ですが、10/18に入荷済。但し入荷量は例年の半分の予定で、在庫切れの場合は通常品での接種となります。(日本産婦人科学会はチメロサール入りインフルエンザワクチンで妊婦への接種は可との見解を表明)

 なお、鼻から吸入する生ワクチン(LAIV:FluMist:英国アストロゼネガ社製:第一三共・ジャパンワクチンから発売予定)は、国内での臨床治験を終了していますが、今期の接種時期には発売は間に合わないとの発売元からの情報です。正式発売前に個人輸入でFluMistを接種されている医療機関もありますが、厚労省の正式認可を受けていない医薬品での健康被害は救済給付の対象外となるため、当院では厚労省が正式認可した後でしか患者さんには投与いたしません。さらに、米国ACIP2016-2017のLAIV(FluMist)は効果が低いため使用すべきでないとの勧告をしています。この勧告もあって、当院では現時点ではFluMistの個人輸入による接種は行いません


 当院は開業以来、基礎疾患のない健康な子どもさんへのインフルエンザワクチン接種はそれほど積極的には勧めてはいませんでした(理由は、その年に流行するインフルエンザ株の予想が以前は外れることが多かったためと、後述のように日本の接種量が少なすぎて充分な抗体が産生されにくい状況にあったため) しかし、その後、インフルエンザの流行株の予測精度も上昇し、2004年夏には米国小児科学会のインフルエンザワクチン接種勧告の改訂(健康な小児にもインフルエンザワクチンの接種を勧める内容)がされたため、平成17年度からは、当院も健康な小児と成人にもインフルエンザワクチン接種を行っています。

 今年のインフルエンザワクチンの接種は10月10日(火)から開始、コンピュータによるWeb予約で2日前から予約可能です(万一、在庫切れの場合はWEb予約ではインフルエンザの項目が抜けています)。事前予約は不要で、電話予約ではなくスマホ、PCによるWeb予約で予約して下さい。専用予診票ダウンロード

 1昨年度からインフルエンザワクチンは大幅にモデルチェンジされました。3年前まで3価(A型2種類、B型1種類)であったワクチンは、米国と同様に4価(A型2種類、B型2種類)となりました。 今年度の株は、A/シンガポール/GP1908/2015(IVR-180)(H1N1)pdm09株、A/香港/4801/2014(X-263)(H3N2)株、B/プーケット/3073/2013(山形系統)株、B/テキサス/2/2013(ビクトリア系統)の4株で製造され、昨年度とほぼ同じ株(A型カルフォルニア系の変更)で作成されます。ただし、今年のウイルス株は有精卵での培養が今一のため、生産量が大幅に減少しているとの情報ですので、なるべく早めの接種をお勧めします。

 なお、これらの系統株と異なる株が流行した時は効果は今一つになります。最近はシベリアからの渡り鳥の糞便を分析して流行する型を予想し、昨年の株より卵順化による抗原性変化の少ない株が選択されるような工夫が日本ではされていますので、だんだんとハズレは少なくなる予定です。

 
 日本のインフルエンザワクチンは2011年秋から、6ヶ月〜3歳未満は0.25ml/回、3歳以上は0.5ml/回と欧米並みに増量され、6ヶ月〜13歳未満は2回接種(免疫効果からは4週間の間隔がベター以前の1〜4週間隔3〜4週間隔に修正)、13歳以上は1回ないし2回接種(但し喘息や心臓病などの基礎疾患のある方、免疫状態が落ちている方、受験生などには、2回接種を勧めます)。
 
 なお、当院の予防接種の予約枠が限られるため、成人へのインフルエンザワクチン接種は原則として子供さんと一緒に接種の場合のみとさせて頂いています。名古屋市の老人用補助券(1,000円)も当院でも利用可能です。健保連愛知連合会のワクチン接種補助事業の補助券は、今年も「NPOあいち」経由で使用できることになりましたので、当院でも差額を支払っての接種が可能です。

 インフルエンザワクチンは、当院にかかって見える方を優先しますが、他院で接種して貰えなかった方も余裕があれば接種致します。 ただし、治療内容の判る資料お薬手帳・検査データなど)を必ず持参して下さい。もし、治療経過や投薬内容などがはっきりしない時、母子健康手帳をご持参されなかった時、子供だけ(中学生以下)の来院で親族(両親以外の場合は委任状が必要)が同伴されなかった時は、当院での予防接種をお断りします


 1.インフルエンザワクチンは、現在の商品は鶏卵が製造過程で使用されているため、鶏卵アレルギーのある方は要注意です。インフルエンザワクチンによるアナフィラキシーショックの発生例が報告されているため、以前にワクチンによるアレルギー反応が出現された方は緊急事態に対応可能な大きな病院で接種して下さい。 但し、卵白アレルギーのあった子どもさんでも、現在、摂取可能になった方、採血で卵白IgG(RAST)が3+以下の方は十分な問診の上、接種後30分以上待合室で様子観察することを条件に、当院でも接種します。

 2.大阪市大(小児科・公衆衛生)や日本小児科学会の調査で、インフルエンザワクチンの小児への有効率は20〜30%程度(成人は50%前後)です。このため、インフルエンザワクチン接種をしても罹ることはあります(朝日新聞のアエラ2009/10/26)の記事を参照)。日本の注射用製剤は、あくまで重症化防止用であり、感染予防には残念ながらあまり効果はありません
 
 3.欧米では、基礎疾患(気管支喘息など)のある子どもさんに、従来から積極的に接種を勧めています気管支喘息、先天奇形などで感染症に罹りやすい患者さんには、当院でも積極的にインフルエンザワクチンを接種勧めています。2013年度の米国小児科学会の乳幼児に対するインフルエンザワクチンに対する勧告ここ
 
 4.妊娠中にインフルエンザに罹患すると重症化しやすいため、妊婦・授乳中の褥婦さんにも欧米では積極的に接種を勧めています 妊娠中・分娩後に新型インフルエンザで重症化した例 NEJM (2009/12/23)(米国産婦人科学会は2014年に全妊婦への接種を勧告動画付))(母体への接種は新生児にも有効 NEJM2014/9/4)当院では念のため器官形成期(臨界期:妊娠初期14週頃まで)を避けて、妊娠14週以降で接種されることを勧めていましたが、日産婦学会のQ&Aでは妊娠初期も接種可能で、チメロサール入りでも問題なしとしていますので、現在は14週前でも接種し、通常品でも接種します。日本産婦人科学会はチメロサール入りインフルエンザワクチンで妊婦への接種は可との見解を表明)

 より安全性の高いメロサール(水銀系防腐剤)フリー(予めディスポ(0.5ml & 0.25ml)注射器に装填済)のインフルエンザワクチンは、今年度は阪大微研の0.5ml製剤のみ製造になりました。 このため今年度はチメロサールフリーの入荷量は例年の半部で少な目です。在庫の無くなった時は、通常品での接種となります。日本産婦人科学会はチメロサール入りインフルエンザワクチンで妊婦への接種は可との見解を表明)


 インフルエンザワクチンは各医院・病院の自由料金です。当院は丁寧なる説明、看護婦ではなく医師自らの注射、予防接種ガイドラインに準じて接種後15〜20分以上専用待合室(絵本・パソコン・アニメ映画放映中)で様子観察させて頂いているため、他院よりやや高めかもしれませんが、当院の予防接種に対するポリシーもあって、安売りで患者さんを集める手段にはしたくありませんので、よろしくご理解の上、ご予約下さい。

 なお、インフルエンザワクチンは大幅にモデルチェンジされ、3価から4価となり、各メーカーからの納入価格も大幅に67%upしましたので、まことに申し訳ありませんが、インフルエンザワクチン料金は大幅値上げせざるを得ませんでした。例年きちんと接種されて来た方であれば、米国CDCの2015勧告では1回のみで可との記述(Fig1)もありますので、価格アップで家族全員打つのは大変と思われている方は1回接種にされるのも妥協案としては良いのではと考えています。ただし、受験生は2回接種をお勧めしています。

        平成29年度 当院のインフルエンザワクチン料金  (1回当り)   接種費用(税込)
 6ヶ月〜3歳未満 (0.25ml)  (2回接種)   (通常品)   3,300円/回
 3歳〜13歳未満  (0.5ml)  (2回接種)   (通常品)   3,500円/回
 13歳以上〜    (0.5ml)  (原則1回) (通常品)  (喘息児・受験生などへの2回接種は要相談)   3,500円/回
 1歳〜3歳未満 (0.25ml)  (2回接種)   (チメロサールフリー(水銀ゼロ)・シリンジ製剤)   今季は製造中止
  妊婦・3歳以上 (0.5ml) (13歳以上1回) (チメロサールフリー(水銀ゼロ)・シリンジ製剤・当院に通院中の方を優先)    4,000円/回
 2歳〜49歳  (FluMist:鼻噴霧式生ワクチンで1回吸入のみ、妊婦・気管支喘息患者を除く) 当院は個人輸入品は不採用

※ 健保組合の補助券利用時には、差額で接種可能 ※

  

  厚労省HPに、インフルエンザの総合解説 が掲載されています 


★ 朝日新聞アエラ2009/10/26)の記事に関連して、副院長日産婦医会報(H21年11月号) に寄稿した「コーヒーブレイク」を ご笑覧下さい ★ 


            平成29年 8月22日   初版作成 
          8/29、9/5、9/17、9/23、9/26、10/9、10/18、10/24、11/3、11/14、11/20

          11/29、12/2、12/4、12/11、12/15、12/16、12/20、12/24、12/28、

          1/7、1/14、1/16、1/22、1/30、2/3、2/10、2/18、3/3  一部改訂

 

               

 
               (医) 若葉台クリニック